警察庁は8日、中国系ハッカー集団「MirrorFace(ミラーフェース)」が2019~24年、日本の安全保障や先端技術に関する情報を狙い、210件のサイバー攻撃を実施していたことが判明したと発表した。攻撃対象や手法などから中国政府の関与が疑われると指摘。関係者によると、被害に遭った団体には23年に攻撃を受け情報漏えいがあったと公表した宇宙航空研究開発機構(JAXA)も含まれる。
安全保障に携わる防衛省や外務省などの政府関係者やシンクタンク、政治家、記者、先端技術を有する民間企業などが攻撃を受けた。警察庁のサイバー特別捜査部と全国の警察が捜査した結果、ミラーフェースが使うマルウエア(悪意あるソフト)が、中国の国家安全省とつながりがあるとされるハッカー集団「APT10」のものと類似することが分かった。
中国の関心分野が標的となっているほか、攻撃のタイミングが中国側の勤務時間と重なったり、長期休暇時にはなかったりすることなどから総合的に分析し、国家が関与する組織的な犯行の疑いがあるとみている。
サイバー攻撃をする男のイメージ写真(ロイター=共同)
サイバー攻撃のイメージ