衆院選で当選した河村たかし氏の市長失職に伴う名古屋市長選は24日投開票され、無所属新人の元副市長広沢一郎氏(60)=保守推薦=が、前参院議員大塚耕平氏(65)=自民、立民、国民、公明推薦、政治団体役員尾形慶子氏(67)=共産推薦=らを大差で破り、初当選した。河村氏が後継候補に指名した広沢氏は市民税減税など、約15年間の河村市政で進められた政策を継承すると訴え、支持を集めた。投票率は39・63%で2021年の前回を2・49ポイント下回った。
広沢氏は河村氏と二人三脚で選挙戦を展開し、後継をアピール。交流サイト(SNS)を通じた発信で無党派層を中心に支持を広げたほか、与野党問わず既成政党支持層も取り込んだ。
大塚氏は議会と対立してきた市政の刷新を訴え、4党の国会議員も相次いで応援に入ったものの、支持層を固めきれなかった。元会社員太田敏光氏(76)、旅行会社経営水谷昇氏(61)、元大学講師不破英紀氏(64)、旧自治省(現総務省)元職員鈴木慶明氏(85)は及ばなかった。
名古屋市長選で初当選を決め、前市長の河村たかし氏(右)から水をかけられる広沢一郎氏=24日夜、名古屋市
広沢一郎氏