陸上自衛隊与那国駐屯地(沖縄県)で10月に起きた輸送機V22オスプレイ損傷事故に関し、陸自設置の事故調査委員会が、パイロットがエンジン出力を上げる機能を作動し忘れたことが原因と断定したことが13日、関係者への取材で分かった。近く公表する。陸自は事故後、全17機の飛行を見合わせているが、機体自体に不具合はないとして、再開に向けて関係自治体と調整する。
防衛省によると、事故機は米軍との共同統合演習に参加していた10月27日午前、離陸の際に機体が左右に大きく揺れ、左翼の下部が地面と接触した。米兵を含む搭乗の計16人にけがはなかった。
関係者によると、事故機のフライトレコーダー(飛行記録装置)などを分析した結果、パイロットが離陸のために一時的に出力を増幅する「インテリム・パワー・スイッチ」を作動し忘れていたことが判明した。
そのため出力不足で機体の高度が低下。いったん地上に下りたがうまく機体を制御できず、再浮上した際に左右に大きく揺れ、事故に至った。
左翼が地面と接触し、機体の一部が損傷した陸上自衛隊のV22オスプレイ=10月27日、沖縄県・与那国島(基地いらないチーム石垣提供)