上毛新聞社「21世紀のシルクカントリー群馬」キャンペーン
フィールドミュージアム「21世紀のシルクカントリー群馬」推進委員会
上毛新聞社の呼びかけにより、群馬県の新たな地域づくりを構想するため2005年9月に発足した有識者組織。東大教授(建築史)の藤森照信氏を委員長に県内外の専門家8人で構成する。事務局は上毛新聞社内。規約では活動の目的を「養蚕・製糸・織物で栄えた本県の歴史や文化に再び光をあて、県内にある数多くの産業遺産や人的資源の活用を図り、『シルク(絹)』をキーワードとした新たな地域づくりへの運動を盛り上げる」としている。また同社が推進する「21世紀のシルクカントリー群馬」キャンペーンへの提言機関としての役割も担うとともに、旧官営富岡製糸場を中心とする絹産業遺産群の世界遺産登録に向けた運動を支援している。
設立趣旨
群馬県は、かつて養蚕・製糸・織物の中心地として繁栄し、日本の近代化に多大な貢献を果たしました。このため、本県には旧官営富岡製糸場や旧新町屑糸紡績所をはじめ、養蚕農家群やのこぎり屋根工場群などの産業遺産が数多く点在。収繭量は今なお全国一を誇り、国内で二カ所となった製糸工場の一つが稼動を続けるなど、現在も「シルクカントリー」と呼ぶに値する環境を維持しています。
しかし、絹関連産業は斜陽化が進み、産業遺産の多くはかつてとは別の目的に転用されるか、その歴史的価値を認識されないまま「放置」されているのが実情で、絹にかかわる県民の記憶やアイデンティティーは急速に風化しようとしています。
世界に目を転じると、産業構造の変革に伴い、往時の役割を終えた産業遺産を観光資源や環境教育の面から再利用し、地域再生を図る例が多く見られます。本委員会では、県などが進める旧官営富岡製糸場の世界遺産登録に向けた運動を機に、本県の「絹」の文化と歴史を200万県民共有の資産として捉え直し、新たな地域づくりと精神文化の継承に向けたグランドデザインを構想します。
フィールドミュージアム「21世紀のシルクカントリー群馬」推進委員会委員(50音順、敬称略)
- 藍田正雄(江戸小紋染色作家)
- 石井寛治(東大名誉教授)
- 石原征明(前橋国際大名誉教授)
- 佐藤好祐(宮内庁紅葉山御養蚕所主任)
- 清水慶一(国立科学博物館産業技術史資料情報センター主幹)/副委員長
- 藤森照信(東大教授)/委員長
- 茂木雅雄(大日本蚕糸会理事)
- 森まゆみ(作家)
活動
- シンポジウム「21世紀のシルクカントリーをめぐって」
- 日仏産業遺産シンポジウム「世界から見た富岡製糸場」
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