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講演する松浦晃一郎さん
絹産業遺産群世界遺産登録 「イコモスの評価大切」 松浦前ユネスコ事務局長が講演 構成資産厳選を
掲載日2010/12/06
前ユネスコ事務局長で世界遺産委員会議長も務めた松浦晃一郎さんが5日、富岡市の旧官営富岡製糸場で講演した。同製糸場を含む絹産業遺産群の世界遺産登録を目指す本県の取り組みについて「イコモス(国際記念物遺跡会議)からポジティブな評価を受けられることが大切」と強調。構成資産を厳選して世界的な価値を明らかにしていく必要があると助言した。
松浦さんは平泉の登録延期について、構成資産を広げすぎ、浄土思想という哲学ですべての資産の価値を証明できなかったことによる「失敗例」と紹介。製糸場の保存状況や意義を高く評価した上で、絹産業遺産群を構成する他の資産についても十分な価値の検証が必要とした。
住民の決定で新橋が造られ、世界遺産から外されたドレスデン(ドイツ)を例に、景観が重要な要素となってきているとし、「まちづくりでも景観に注意をはらってほしい。市民の役割も大切」と話した。
講演会は市と市教委が主催した。
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