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富岡製糸場を視察する海外の専門家
国際専門家会議 出席者ら県内視察 「西洋以外の近代化体現」 製糸場の価値評価
掲載日2010/11/25
産業遺産に詳しい海外の専門家4人が24日から2日間の日程で、世界遺産登録を目指す本県の構成資産候補地の現地視察を始めた。初日は旧官営富岡製糸場(富岡市)、碓氷峠鉄道施設(安中市)などを訪問。専門家の1人は、富岡製糸場について「西洋以外の国が近代化をどう体現してきたかの物証となる」と評価した。
2日間で計7カ所を視察。25日は赤岩地区養蚕農家群(中之条町)、高山社跡(藤岡市)などを回る。
県と文化庁が主催して構成資産や推薦書作成について検討する「富岡製糸場と絹産業遺産群」国際専門家会議(26、27日)出席に合わせて4人が来日。ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)のメンバーを含み、いずれも産業遺産や遺跡の保存管理などを専門としている。
午前9時すぎに富岡製糸場入りした一行は、約2時間半かけて視察。非公開の建物内部にも入り、県の担当者から保存状況などの説明を受けた。
製糸場視察後、国際産業遺産保存委員会(ティッキ)理事で同イタリア代表のマッシモ・プレイテ氏は「産業や景観など複雑な要素を理解した上で推薦に向けて動いていくべき」と話した。
国際専門家会議の開催は今年2月に続き2度目。4人は推薦書作成などについて意見を述べるほか、一般を対象に開かれる国際シンポジウム(28日、県公社総合ビル)でパネリストを務める。
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