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長野県岡谷市が復元したフランス式繰糸器
長野県岡谷市が復元したフランス式繰糸器

仏式繰糸器復元し贈る 長野・岡谷市が富岡市に 製糸場で動態展示へ 年内にも完成 設計図は見送る
掲載日2010/07/23

旧官営富岡製糸場創建(1872年)当時のフランス式繰糸器を復元し、所蔵している長野県岡谷市は22日までに、同市の負担で復元器の複製器を新たに作り、姉妹都市の富岡市に無償で寄託することを決めた。当初、富岡市から要請のあった復元器の設計図の貸与は「唯一無二の貴重な財産」(岡谷蚕糸博物館)として見送った。早ければ年内にも完成する見通し。
富岡市は復元器の設計図を借り受けて複製器を製作し、富岡製糸場で動態展示する計画をまとめ、本年度予算に製作費840万円を計上。しかし、設計図貸借の方針が決まらず、計画が事実上、宙に浮いていた。
昨年11月に要請を受けてから検討していた岡谷市は「同じ製糸を核にしたまちづくりで交流していく中で製糸場での動態展示は有益」(同博物館)と判断。一方で、復元器は4年以上の研究を重ねて新たに作り上げた設計図を基にしており、知的財産として大切に扱うべきだとの意見が多かった。
富岡市は「大変ありがたいこと。ともにシルクで栄えたまちとして連携を強化したい」と感謝している。
フランス式繰糸器は、富岡製糸場創業時、300釜導入され、現在は岡谷市所蔵の2釜のみが現存。操業に伴って改良が加えられた後の1918年の姿を伝えている。
岡谷市は導入時のままの姿を伝えようと、復元器の製作に着手。設計図がなかったため、現存器の構造を分析したり、創建当時の錦絵や古い写真などを参考にして新たに設計図を作り、99年に完成させた。

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