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桑の実で新名物を 富岡実高に市が研究委託 パン開発の実績評価 50万円予算化 制約は設けず
掲載日2010/06/13
富岡製糸場の世界遺産登録を目指す富岡市は、桑の実を使った食品の研究を富岡実業高校に委託した。養蚕と絹産業にかかわる新たな名物を作り出し、土産品として売り出す。研究費として50万円を予算化し、使途などの制約を設けず、高校側の自由な発想で取り組んでもらう。市が高校に研究開発を委託するのは初めて。
製糸場に関連した土産品として市は、養蚕農家を生かす方法を検討。2009年度に富岡実高が桑の実の酵母を使ったパンを開発した実績を評価して業務委託を決めた。
食品科学科の生徒が課題研究として取り組む。パンの改良を進めることになる見込み。桑の実を冷凍させ、通年で安定的に供給できる技術の確立を目指す。企業や財団などの公募助成で工面することもあった研究費を市から得ることで、比較的高額な装置の購入も見込めるという。
生徒の一人は「有名な特産品ができるように頑張りたい。すごくやりがいがある」と意欲をみせている。
市によると、市内の耕作放棄地は09年12月現在で395ヘクタール。養蚕農家も09年度は19戸にまで落ち込み、荒れた桑畑が増えており、今回の委託研究は耕作放棄地対策の一環としても位置付ける。一定の収入が見込めれば、農地再生につながる可能性もあると期待している。
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