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「養蚕の里」整備を提言 県蚕糸業のあり方検討会最終報告書 世界遺産運動と連動
掲載日 2009/10/30

本県の養蚕・製糸の存続と振興について考える「県蚕糸業のあり方検討会」(座長・村上毅県蚕糸振興協会理事長)は29日、県庁で開き、蚕の飼育や機織りが体験できる「養蚕の里」整備や独自のシルク製品開発などの構想を盛り込んだ最終報告書をまとめた。「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録推進運動と連動して地域活性化を図るのが狙いだ。11月にも大沢正明知事に提出する。 ◎来月、知事に提出  報告書では、養蚕が本県経済の発展に貢献してきた歴史を踏まえ、「日本の絹文化を支え、同遺産群の価値を高める上でも生きた蚕糸業を残す意義は大きい」と強調した。
 「養蚕の里」は大規模な桑園を造って景観を保全し、養蚕から糸繰り、機織り、染色まで一連の体験や見学ができる構想。さらに、旧官営富岡製糸場(富岡市)や赤岩地区養蚕農家群(六合村)といった地域の特長を生かした絹製品の開発を掲げた。
 また、赤城山ろくで続けられている上州座繰りの技術継承と保存の支援や、高品質の繭生産を目的にした本県独自の繭格付けの設定なども明記した。
 県は今後、報告書で示された内容を来年度以降の予算に盛り込むなどして、施策に反映させる方針。林宣夫県農政部長は「蚕種製造や製糸工場、織物産地など一連の業種がそろっているのは本県が唯一。蚕糸絹業者による提携システム構築で養蚕農家が安心して繭生産に取り組めるよう全力で取り組みたい」としている。
 同検討会は、蚕糸絹業や行政、研究、世界遺産登録推進など各分野の委員12人で今年4月に発足。養蚕農家が減少するなど取り巻く環境が厳しさを増す中、全国一の繭生産を誇る本県の蚕糸業存続に向けて具体的な振興策を協議してきた。
◎蚕糸業振興の主な提言 富岡製糸場と絹産業遺産群との連携
・養蚕や機織りなどが体験できる 「養蚕の里」整備
・地域の特長を生かした独自のシ ルク製品開発
群馬の繭・生糸ブランドの確立
・上州座繰りの技術継承支援
・群馬独自の繭格付けを設定
蚕、桑による新産業の創出
・遺伝子組み換え蚕実用化の推進
・桑葉の用途拡大

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