上毛新聞社「21世紀のシルクカントリー群馬」キャンペーン
絹の国俳句ラリー シルクカントリーin桐生
掲載日・2009/00/00
小沢昭一賞
母の背に父染し帯ふっくらと
勝俣 正江さん(58) 桐生市本町
亡くなった父が染めた着物を母に着せて、喜ばせたい気持ちを詠んだ。父の思いをうまく表現できた。
上毛新聞社長賞
鉾蔵の丈の風格春近し
堀田木綿子さん(77) 桐生市境野町
鉾蔵(ほこぐら)が高くすっと建つ姿に風格があり、そのときに一緒に見上げた青い空に春の訪れを感じた。
県現代俳句協会長賞
八木節に合わせ二月の床を踏む
川島 喜由さん(86) 桐生市堤町
「鉾座」での八木節は今までの八木節と違って聞こえ、思わず足を動かしてしまった。その気持ちを詠んだ。
機音賞
紗綾市の吊り雛ゆする風強し
桐 生 酒井 幸子
風光る鋸屋根のパン工房
桐 生 池田不二子
機町の旧家の名残古木梅
太 田 塚越 隆司
夫待たせ紗綾市に買ふ春ショール
太 田 塚越紀代子
南天の葉先やわらか日脚伸ぶ
桐 生 寺田美保子
絹ラリー春のスタンプ押しにけり
桐 生 遠藤 勝久
煉瓦館時を紡ぎてあたたかし
桐 生 山崎 恵子
機音を吸いし煉瓦の暖か
桐 生 大沢 慶
北窓を開く織姫八十才
前 橋 工藤 弘子
春なれや歴史散歩の機の街
みどり 古田島哲雄
絹の国俳句ラリー●松本夜詩夫さん講評
俳句は目で見たものだけでなく、心でとらえるもの。大賞の佐山啓子さんの句はそれができていました。赤城おろしを縦糸にたとえたところが、風土性を表していると思いました。
上毛新聞社長賞の堀田木綿子さんの句は、桐生の鉾蔵を詠んだものですが「鉾蔵の丈の風格」という表現に、地元のものを誇りに思う桐生の人の気持ちが伝わってきました。
また「葉先やわらか」など、豊かな感性を感じさせる句が目立ちました。
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