上毛新聞社「21世紀のシルクカントリー群馬」キャンペーン
公開された「新刻蚕養之図」に見入る来場者
宮中の養蚕伝える錦絵 伊勢崎境島村 地区の歴史解説も きょうまで
掲載日・2008/11/16
皇室で近代的な養蚕が始まった一八七一(明治四)年の宮中の養蚕作業を描いた錦絵「新刻蚕養之図」が十六日まで、伊勢崎市境島村公民館で展示されている。絵は同地区で見つかったもので、寄託を受けたぐんま島村蚕種(さんたね)の会が、地区文化祭の中で公開した。
この錦絵は「御養蚕所絵」と言われるもの。吹上御苑で皇后さまによる養蚕が始まった同年、奉仕者として作業を支えた同市境島村、栗原ふささんの子孫に当たる栗原寿郎さん(76)宅で見つかった。昭憲皇太后とみられる女性を中心に、女官や奉仕者による掃き立てと蚕に桑を与える作業が描かれている。
当時の状況を紹介する解説パネルも設置され、奉仕者や世話係を送り続け、皇室における初期の養蚕を支えた地区の歴史を伝えている。会場にはこのほか、地区の養蚕にまつわる伝説にちなんだ「おきぬさん人形」、住民の絵画、写真、書作品などが飾られている。
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