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ムラサキで染めた作品を手にする石川さん
沼田の染色家・石川さん 貴重な“ムラサキ”使い着物など34点 21日まで九州国立博物館
掲載日・2008/09/19
沼田市利根町の染色家、石川貴啓さん(57)の「蘇(よみがえ)った紫草(むらさき)色の世界展」が二十一日まで、福岡県太宰府市の九州国立博物館で開かれ、古代から染料として使われた植物のムラサキで染めた着物など三十四点が展示されている。
ムラサキは化学染料の普及や環境の変化で自生地が減少、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧(きぐ)種IB類に指定されている。石川さんは三十年間をかけ、ムラサキの栽培や染色法などを研究。技法を復活させ、利根町の工房で創作活動に励んでいる。
同展は隣接する筑紫野市商工会が主催。かつて同市に自生していたムラサキが「筑紫野」の名の由来でもあることから、源氏物語千年紀を記念して企画した。
博物館のエントランスホールには、本県産の絹を使った長さ三十メートル、幅一メートルの三本の天幕が飾られ、幻想的な空間を演出している。
石川さんは「色を通じて日本人の精神と文化を伝えたい」と話している。
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