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1951年に撮影された「栃窪風穴」(吾妻森林管理署所有)
1951年に撮影された「栃窪風穴」(吾妻森林管理署所有)

栃窪風穴の資料ありませんか? 世界遺産登録に協力を 中之条町教委
掲載日・2008/09/07
 「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界遺産登録を目指している絹遺産十カ所のひとつに挙げられている「栃窪風穴」(中之条町)の価値を裏付けるための資料収集が進まず、中之条町教育委員会(唐沢正明教育長)が資料の発掘と提供を呼びかけている。
 風穴は蚕種を低温貯蔵する施設として冷蔵庫の普及していない一九〇〇年代初めに蚕糸業に欠かせない存在として注目されたが、戦後の冷蔵庫の普及で急速に姿を消した。栃窪風穴は、荒船風穴(下仁田町)とともに県内屈指の規模で利根・吾妻地区の養蚕を支えてきた。遺構や存在したという記録は残されているものの、操業当時の写真、蚕種取引の記録、施設の規模を示す設計図など「具体的な裏付けになるデータが見つからない」(同教委)という。吾妻森林管理署が戦後間もないころの風穴写真を提供してくれたが、当時はすでに樹木の苗の保存に使われ、「蚕種保存施設としての説得力が弱い」(同教委)。
 同教委によると、世界遺産登録には、国指定史跡に登録されていることが不可欠で、十一月末までに県に審査のための書類を提出し、来年一月にも文化庁に登録申請する方針だが、「審査書類の裏付け資料が乏しく、今回の協力依頼となった」という。

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