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富岡製糸場を見学する愛媛県からの団体客
観光客県外から75% 世界遺産運動で注目 市教委調査 富岡製糸場
掲載日・2008/06/08
世界遺産登録を目指す富岡市の旧官営富岡製糸場を訪れる県外の観光客が増えている。昨夏、富岡市教委が場内で実施したアンケートでも、回答を寄せた949人のうち75%が県外在住者。ツアーも企画されるなど同製糸場の注目度は全国的に高まりつつあるようだ。
アンケートは昨年七月中旬から九月中旬まで、来場者の反応を調べるために実施した。
来場者が最も多かったのは埼玉県からで21・2%(二百一人)。次いで本県20・3%(百九十三人)、東京都が17・9%(百七十人)と続く。やはり関東地方が多いが、北海道や福岡県など遠隔地からもあった。
同市教委は「アンケートはあくまで任意回答。ツアー客の出発地などのデータは取っていないが、ここ数年は県外からの観光客が増えている」と分析する。
五月末には松山市内の旅行社が企画したツアーで、愛媛県から十一人が訪れた。一泊二日の日程で、初日は赤岩地区養蚕農家群(六合村)や碓氷峠鉄道施設(安中市)など一連の絹産業遺産群を見て回った。
二日目に訪れた富岡製糸場では、繰糸場やブリューナ館を見学した。参加者は解説員から木骨れんが造りの官営期建造物の特徴や工女の生活などの説明に聴き入り、驚きの声を漏らしていた。
参加者の一人、松山市の中野芳恵さん(67)は「以前から群馬県の絹産業遺産に興味があった。保存状態が良く素晴らしい」と声を弾ませた。この旅行社は今後も定期的に本県で同様のツアーを企画していくという。
同市教委は「さまざまな人に価値を認めてもらうことが世界遺産登録につながる。今後も県内外を問わず誘客に努めたい」と話している。
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