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桑畑の整備予定地に立つ田島会長(右)と栗原さん。後ろは田島会長宅
よみがえれ原風景 住民ら桑畑整備へ 500平方メートル
地元小学校に提供計画 大型養蚕家屋残る伊勢崎・境島村地区
掲載日・2008/04/28
大型養蚕家屋が残る伊勢崎市境島村地区の世界遺産登録を目指す住民団体、ぐんま島村蚕種の会(田島健一会長)は、桑畑の整備に乗り出す。代表的な養蚕家屋の隣に木を植え付け、蚕種、養蚕で栄えた地区の原風景をよみがえらせる。景観として生かすだけでなく、養蚕を授業に取り入れている地元小学校に桑を提供していく計画で、将来は養蚕復活につなげたい考えだ。
畑をつくるのは、明治初期に技術書「養蚕新論」を著した田島弥平の住宅の隣接地。弥平の顕彰碑も建っており、地区の特色を紹介する見学コース上に位置している。畑は田島家当主で弥平の子孫に当たる田島会長(78)が、遊休農地のうち約五百平方メートルを提供する。
500本譲り受け
桑の木は、全国都市緑化ぐんまフェア・前橋公園会場の「桑の海」の苗木を使う。六月のフェア終了後に五百本ほど譲り受け、富岡製糸場世界遺産伝道師協会に協力してもらって植え付ける予定だ。
桑畑は子供たちの学習にも活用していく。地元では境島小が総合学習に養蚕を取り入れているが、桑の木は校庭に植えられているだけ。桑が不足していることから、木が育つ来年以降は子供たちに使ってもらうことにしている。
景観「引き立つ」
会の事務局を務める栗原知彦さん(66)は「桑畑があれば養蚕家屋の景観がさらに引き立つ。いずれは養蚕復活につなげたい」と夢を広げる。
同地区には、弥平の指導に基づいて通気のための櫓やぐらを付けた大型養蚕家屋群が残っており、市教委が重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の選定を視野に調査を続けている。
田島会長は「会の活動に彩りを添えようと桑畑を整備することにした。見学者にも喜んでもらえると思う」と話している。
地元小学校に提供計画 大型養蚕家屋残る伊勢崎・境島村地区
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