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鉾人形の装束を点検する桐生市本町四丁目町会ときりはたのメンバー
鉾人形の装束を点検する桐生市本町四丁目町会ときりはたのメンバー

鉾人形装束を新調 県産生糸で133年ぶり 祇園祭で披露へ 桐生の機屋グループ
掲載日・2008/04/23
 桐生市本町四丁目町会(佐々木裕町会長)所有の鉾(ほこ)人形「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」の装束が、百三十三年ぶりに新調される。織りを担当する正絹の老舗機屋グループ「きりはた」の会員らは二十二日、同市本町のあーとほーる鉾座で人形から着物を脱がして復元の可能性を探った。人形は高さ九・二メートルの四丁目鉾の最上部に乗るシンボル。復元には県産の生糸「ぐんま200」を使い、今年八月上旬の桐生祇園祭でのお披露目を目指す。
  素戔嗚尊は浅草の生き人形師、松本喜三郎(一八二五―九一年)の作。一八七五(明治八)年に完成した。桐(きり)材や人毛などを使い、血管や指のしわまで精密に表現した会心作とされる。
 調査によると、人形は緯錦織(よこにしきおり)の直垂(ひたたれ)、はかま、帯などを身に着けていた。一九五四年製の帯を除き、人形が作られた年に西陣で織られた。それぞれの装束には、松の経絣(たてがすり)菊や桐の紋などが入っている。近年は装束の破損が目立っていた。
 同市本町の郷土史研究家、奈良彰一さん(61)は「作者の松本の影響で京都の西陣製になったと思う。新しい装束は桐生の技術で復活させたかった」と話す。
 きりはたは後藤、泉、江雅、高光、井清の老舗機屋が参加しているグループ。この日は、復元作業を担う後藤、泉の両社が脱がした装束を持ち帰り、織りや組織、色などを調べることになった。後藤隆造社長と泉明嘉会長は「特殊な織りでなく、桐生産地が得意にしている緯錦織なので十分復元できる。祭りには間に合わせたい」と話す。
 佐々木町会長は「先人が残した大切な財産を後世に引き継ぎたい。地元織物のPRにもつながれば良い」と期待している。

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