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市営宮本町駐車場案内図
製糸場玄関口を整備 世界遺産登録目指し 駐車場改修に着手 富岡市 保護体制アピール
掲載日・2008/01/15
富岡市は今月、旧官営富岡製糸場の見学者向けに運営している市営宮本町駐車場の改修に着手、世界遺産を目指す施設の玄関口にふさわしいイメージづくりと機能向上を図る。製糸場を象徴する赤れんがでモニュメントや歩車分離帯をつくるほか、場内を全面舗装し、進入路には歩道を新設する。世界遺産の登録には遺産価値の証明と並んで「保護体制づくり」も重要な要素で、市の積極的な姿勢は国やユネスコへのアピールになりそうだ。
赤れんがのモニュメントは長さ一三メートル、幅一・二メートル、高さ〇・七メートルのベンチシート状のものを中心に、同じ高さの小規模なベンチも場内の一角に複数設置する
れんがは製糸場創建当時の達磨(だるま)窯で製糸場に準じたサイズ(長さ二二センチ、幅一一センチ、厚さ五センチ)を焼いて活用し、当時の雰囲気を再現する。
れんがの費用は個人や団体の協力金を募集した富岡製糸場周辺まちづくり協議会からの寄付を中心に賄う。協力金はすでに六百七十個分が集まっている。
駐車場の広さは三千平方メートル。高低差を解消して舗装する。県道富岡神流線(宮本町通り)から駐車場まで東西六〇メートル区間の進入路(幅員一二メートル)には両側各二メートルの歩道を整備。イベント利用を想定して段差は付けず、歩車分離のため四メートル間隔でれんがを置く。
場内の市役所出先事務所(鉄骨平屋建て百六十四平方メートル)も休憩施設に改修する。室内にベンチやテーブルを配置し、男女のトイレや身障者・乳児連れ用の多目的トイレを併設する。
一連の工事は月内にも着工、ゴールデンウイーク前の完成を目指す。市は国のまちづくり交付金を含めて総事業費五千二百万円を見込んでいる。
宮本町駐車場は製糸場の国史跡・重文指定にともなう駐車禁止措置を受けて本格運用を開始、二〇〇七年春に拡張した。主に個人見学者用で、収容は乗用車八十八台、バス三台。駐車料金有料化後の〇七年四―十二月に二万八千台が利用した。
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