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講演する富岡市立美術博物館の今井館長
伊勢崎境島村 「英商人が大きな興味」 今井富岡市立美術博物館長 明治期の蚕種で解説
掲載日・2007/11/10
蚕種の輸出でかつて栄えた伊勢崎市境島村(旧境町島村)の歴史を学ぶ郷土史学習講座が六日、境島村公民館で開かれた。富岡市立美術博物館の今井幹夫館長が、明治初期のイタリアと英国の外交官の島村視察をテーマに講演。「視察の意義や残した記録を検証することが大切。そのことが、島村に残る大型養蚕農家群が世界遺産暫定リストに記載された本県の絹産業遺産群入りにつながるのではないか」と語った。
今井館長は、一八六九(明治二)年に島村を視察したイタリアのサリエ・デ・ラ・トゥール、同年と七〇年の二回にわたって島村を訪れた英国のアダムスを紹介。本人や随行の生糸商人が残した記録から、外交官らが「優良だった島村の蚕種に大いに興味を持っていたことが分かる」と説明した。
さらに「島村に残る養蚕農家群は本県の絹産業遺産群に仲間入りしてほしい。それには住民の力が大きく影響するし、今後の評価にもつながっていく」と参加者に呼び掛けた。
郷土史学習講座は、ぐんま島村蚕種の会(田島健一会長)が開催した。今年は連続四回で計画、今後二回が予定されている。
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