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本県の農業の歴史を本にまとめた宮崎教授
養蚕中心の歩み解説 本県の「農業史」刊行 前橋国際大 宮崎教授
掲載日・2007/09/11
前橋国際大の宮崎俊弥教授(61)=桐生市相生町=が、江戸時代から大正中期までの本県の農業の歴史を著書「群馬県農業史上」にまとめ、県立図書館に事務局を置くみやま文庫から発行した。宮崎教授は「手作業の厳しい労働の時代だったが、養蚕中心の畑作によってエネルギッシュに発展した」と概説している。
同書は上下二冊続きの一冊目で、B6判二百四十ページ。時代の流れに沿った三章構成。農民が用いた農業技術や歴史的な出来事とその背景を記述するだけでなく、農業と養蚕業の指導者となった田島弥平、高山長五郎、船津伝次平らにスポットを当て、技術改良の苦労や精神性などを描き出している。
同文庫から執筆を依頼された宮崎教授は、「日本の農業が衰退する中で、過去の歴史から学ぶべきことがあるのではないか。若者ら多くの人に農業への関心を持ってもらいたい」と考えて了承した。本県の農業全般を体系的にまとめた本はこれまでなく、「記録や記憶が失われてしまう前に本にしておく必要性を感じた」ともいう。
今後は二年後をめどに、大正から現代までの変遷を「下」にまとめる予定。
同文庫は「上」を会員千七百人に配布し、会員外の希望者にも千五百円で販売する。問い合わせは同文庫(電話027・232・4241)へ。
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