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世界遺産登録への流れ・図解
世界遺産登録への流れ・図解

暫定リスト入り 最短で3年後登録 絹産業遺産群
掲載日・2007/06/28
 ニュージーランドで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第三十一回世界遺産委員会で二十七日、新たに暫定リスト入りする世界遺産候補地の報告が行われ、本県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」など国内五つの候補地が、各国代表者に対して公式に紹介され、暫定リスト入りが認められた。これによって本県の絹産業遺産群は、最短で二〇一〇年の世界遺産登録が可能になった。
 国内で新たに暫定リスト入りしたのは、本県の絹産業遺産群のほか「富士山」(山梨、静岡)「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(奈良)「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎)の文化遺産候補計四件と、「小笠原諸島」の自然遺産候補一件。
 文化遺産候補は原則リスト入りから一年間が周知期間。その後、世界的価値を証明する準備ができ、保護態勢が整うと、各国がユネスコ・世界遺産センターへ推薦書を提出する。同センターの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が現地調査を行い、その報告書を参考に、毎年六、七月に開かれる世界遺産委員会が登録の可否を決める。
 本県絹産業遺産群の場合、最短で暫定版の推薦書が二〇〇八年九月、正式な推薦書が〇九年二月に提出され、イコモスの調査を受けた後、一〇年六、七月の世界遺産委員会で登録の可否審議が行われる。
 暫定リスト記載を受けて、小寺弘之知事は「今後も県民の支援、協力をいただき、一日も早い本登録へ向けて運動を推進したい」、岩井賢太郎・富岡市長は「富岡製糸場は世界の繊維産業に大きな影響を与えた、アジア近代化の象徴といえる遺産。暫定リスト入りで周知されたことは誠に喜ばしい」との談話をそれぞれ発表した。

◎西毛10市町村 「絹」核に観光連携
 県西部県民局と管内十市町村は来年度から、増加する旧官営富岡製糸場の見学者を近隣の絹関連施設や行楽地に引き込む観光連携事業に乗り出す。二十七日に同局で開いた担当課長会議で合意した。
 共通のキャンペーングッズを製作したり、絹文化の施設を関連づけて紹介する方針。
 西毛地区には同日、世界遺産の暫定リスト入りした施設として、富岡製糸場のほか、荒船風穴(下仁田町)旧上野鉄道関連施設(同)高山社発祥の地(藤岡市)旧甘楽社小幡組倉庫(甘楽町)碓氷峠鉄道施設(安中市)がある。旧官営新町屑くず糸紡績所を含め、県と市町村で有機的な観光利用を図る。
 富岡製糸場の見学者数は四月時点で前年同月比四・四倍の月間約一万七千人に増加した。リスト入りが決まった県内十カ所では富岡製糸場に見学者が集中する構図となっている。
 観光事業の実施に向けては本年度中に数回会合を持ち、県と市町村で費用負担などを協議する。

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