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シルクカントリー群馬
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甘楽富岡蚕桑研究会が「むらの伝統文化顕彰」で農水大臣賞を受賞
掲載日・2007/03/09
 農山漁村の伝統文化・技術の継承や活用に取り組む団体、個人を対象にした農水省の「むらの伝統文化顕彰」で、甘楽富岡蚕桑(さんそう)研究会(高橋純一会長)が最高賞の大臣賞に選ばれた。養蚕の維持、振興を図る多角的な活動が評価された。本県からの大臣賞は初めて。十四日に都内で開かれるイベントで表彰される。
 顕彰事業は六回目で、本年度は全国から五十二件の応募があった。表彰は、農山漁村の活性化や都市との交流スタイルを探るシンポジウム「オーライ!ニッポン全国大会」で行われる。
 同会は、本県オリジナル蚕品種「ぐんま200」などを育てて独自の絹製品を開発し、タオルや名刺入れ、靴下を商品化。県内の絹関連施設や物産センターで販売、官公庁や企業にも記念品などとして活用してもらい、PRを図っている。
 富岡市の旧官営富岡製糸場を会場に開かれるザ・シルクデーや市産業祭に参加するほか、求めに応じてイベントにも出展。遊休桑園に食用の桑の実(マルベリー)の苗木を植え、特産化の研究に着手した。保育園児にコサージュや繭人形作りを指導し、子供が繭に触れる機会を提供している。
 養蚕経営の実地研究と農家の親ぼくを目的に発足し、五十年近い活動実績がある。現在、会員は二十七人。富岡、甘楽の二市町の農家と元農家で構成。地域と積極的な連携を図り、製糸場の世界遺産登録運動にも協力してきた。
 有識者による審査委員会は「現代の生活様式に対応し、イベント的要素も取り入れ、蚕飼育からシルクを作り上げる過程まで体系的に継承している」と高く評価した。
 高橋会長は「受賞はうれしく、驚いている。桑や繭は人間に良いことが分かり、広範囲に活用され始めている。高齢化や収入面で養蚕農家は年々減少し危機的状況だが、より多くの人に理解を深めてもらい、養蚕に新たに取り組む人が一人でも現れるよう努力していきたい」と話している。

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