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製糸場世界遺産登録なら、経済効果年間85億円、観光客2.5倍 かんら信金が試算
掲載日・2007/02/17
かんら信用金庫(富岡市富岡、横山昇一理事長)は16日、旧官営富岡製糸場が世界遺産に本登録された場合、観光客の大幅増で富岡市への経済効果が年間85億円に上るとの試算を発表した。
一九九五年に世界遺産登録された「白川郷」(岐阜県)を参考に、年間日帰り観光客数が二・五倍(百三十一万人増)になると想定した。
土産品の開発など観光面の整備が進むことを予想し、観光客一人当たりの消費額も四千円(現在は平均千九百八十円)に増えると見込み、直接効果は五十二億六千万円と試算した。
これに伴うサービス、輸送、食料品など関連産業への一次波及効果を二十七億八千万円と推計。関連産業の給与増や新規就労で市民の消費が刺激され、さらに四億六千万円の二次波及効果があるとした。
かんら信金は「消費額や観光客数は取り組み次第でさらに伸ばせる。地域全体でまちづくりなどを進め、効果を高めていくことが重要」と指摘している。
来場者対策で市と意見交換 世界遺産めざす連絡協が会合
富岡製糸場世界遺産をめざす連絡協議会(高橋伸二会長)は十五日夜、富岡市富岡のまちかど遊YOUプラザで会合を開き、急増する来場者への対応策や要望について意見交換した。
高橋会長は「下からの力で支えていかなければ、(登録推進)運動は強くならない。運動にしっかりとした道筋をつけていきたい」と、同協議会が一丸となった支援の重要性を呼び掛けた。
この後、市側が世界遺産登録に向けた今後の予定や入場者数の推移などについて説明。意見交換で、市内の各団体から「食品関係のお店にパンフレットを置いてほしい」「来た人にアンケートをとり、声を聞くことが大切」などの要望が出され、来場者の受け入れ態勢の充実を市側に求めた。
同協議会は二〇〇五年八月、世界遺産登録推進運動を盛り上げるため、市内で活動する各種団体を一本化する形で発足。情報交換はじめ、同製糸場内のボランティア清掃などに取り組んでいる。
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