上毛新聞社「21世紀のシルクカントリー群馬」キャンペーン
後藤織物で桐生織の帯地などを楽しむ鈴木さん(中央)、中村さん(左)
桐生織の帯や布活用し、洋装で世界に 千葉のデザイナー・鈴木さん
掲載日・2007/02/02
着物を洋服によみがえらせる千葉県習志野市谷津、デザイナー、鈴木みえこさんは、桐生で作られる帯や着尺地を使って日本の和装文化を世界に紹介する新たな試みに挑戦する。着物の活用で新作を生み出せても、同じ作品を複数作ることは困難。昨年十二月に東京・銀座で開かれた「きりはた展」で桐生織に魅せられた鈴木さんは、和装地を素材にした洋装の魅力を多くの人に訴える「ブランド化」の新境地を開拓する。
大学を卒業後、鈴木さんはフランスに留学して立体裁断などを学んだ。帰国後はフランス、イタリアなどの海外ブランドを日本に紹介してきた。ヨーロッパへの行き来を繰り返す中で、海外の人たちが着物地に関心を示すのを体験、二〇〇〇年ごろから着物を使ったおしゃれな“リフォーム”への挑戦を始めた。
着物の喪服を使ったフォーマルウエア、帯地を生かした上着やバッグ、綿と麻の白いスカートなど手がける作品は多い。
都内で一昨年秋に開かれた「日本ものづくり講座」で、みどり市出身のファッションデザイナー、中村芳子さんと出会い、中村さんが「きりはた展」を紹介したのが大きな転機となった。二人は昨年十二月、桐生市を訪れ、桐生織物記念館やきりはたメンバーの後藤織物、泉織物、高光織物などを巡って素材となる帯地や着尺地などの提供を受けた。
中村さんは鈴木さんを「丁寧にものを作り上げる職人肌の製作者」と話し、鈴木さんは「桐生ではプロのものづくりを目の当たりにできた。産地の方たちと手を組んで新しい販路を築きたい」と意欲を示す。今は桐生織の帯地や着尺地を使ったブラウスやバックづくりを構想している。
後藤織物の後藤隆造社長は「きりはたは新しい柄などの開発に力をいれているが、洋装品の開発も期待している。将来はきりはた展で紹介してみたい」と話している。
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