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荒船風穴鬼ケ沢橋梁を町文化財に指定 下仁田町が資料提供呼び掛け
掲載日・2007/01/09
下仁田町は八日までに、県の世界遺産構想にリストアップされている荒船風穴蚕種貯蔵跡(南野牧屋敷地内)と旧上野(こうずけ)鉄道鬼ケ沢橋梁(白山滝ノ尻地内)を町文化財に指定した。町文化財保護係は「さらに調査を進めたいが、資料が少ない」として、写真や文献などの資料提供を呼び掛けている。
昨年十一月の町教育委員会で、正式決定した。両施設とも本県絹産業の発展に欠かせない史跡として、近く測量調査などが進められる予定。
町指定史跡に認定された荒船風穴は一九〇五(明治三十八)年、同町の庭屋静太郎氏が造った。天然の冷蔵庫として蚕種を保存、最盛期には蚕卵紙約百万枚を貯蔵し、全国三十三都府県に出荷した。蚕種を低温で保管してふ化を遅らせることで、農家は複数回の飼育や農閑期に合わせた飼育が可能となった。
町重要有形文化財に認定された鬼ケ沢橋梁は、高崎下仁田間をつなぐ軽便鉄道の上野鉄道(現上信電鉄)が、一八九七年に全線開通した際に建設された。上野鉄道は繭や木材、石灰などを輸送し、製糸業をはじめとする富岡甘楽地域の産業に貢献した。築百年を超えるが、保存状態はいい。
資料提供などの問い合わせは町ふるさとセンター(電話0274・82・5345)へ。
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