71・番外編 固定資産税 税含めた資金計画を 掲載日2006/4/15
固定資産税の家屋調査を行う前橋市の職員

  「マイホームを持ったら毎年20万円ぐらい税金がくるぞ」。家を建てた先輩からこう脅かされていたこともあって、昨年3月、前橋市にわが家が完成して以来、固定資産税がいくらになるのかずっと気掛かりだった。
  そんな中、1月21日、男女二人の市職員がわが家を訪れ、固定資産税の家屋調査を行った。男性職員は間取り図を黙々と書き、女性職員はスケールで天井の高さなどを測りながら調書に記入。私と妻は二人の周りをうろうろし、緊張しながら作業を見守った。
  私が「何をしているのですか?」と尋ねると、女性職員は「仕上げ材の確認と面積を出すための計測をしています」と教えてくれた。
  私が固定資産税で心配していたのは、約300万円(工事費含む)をかけて屋根の上に設置した太陽光発電システムの評価。私のこだわりで妻を説得して導入したという経緯があり、高い税金が課せられれば、妻からの小言も覚悟しなければならないからだ。
  これについて質問すると、職員は「屋根に取り付けるタイプなので、評価に入らない」と回答し、私は胸をなで下ろした。逆に屋根材一体型(認定品除く)だったら、評価額は一般的な屋根材の数倍になったという。
  固定資産税は1月1日現在で家や土地を所有する人が納める市町村税。調査から算出した評価額が、住宅の場合はそのまま課税標準額となり、これに税率1.4%を掛けて税額が決まる。
  家を建てる工務店が決まり、家づくりが本格化してからは、どうしたら税金が安くなるかが大きな関心事だった。「エアコンはビルトイン型は資産評価に算入されるが、取り付け型は算入されない」などと聞いていたので、工夫次第で安くできると思った。しかし、結局は評価基準が分からず何もできなかった。
  評価結果の閲覧が4月から始まり、市役所でわが家の調書を見せてもらった。調書には屋根、基礎、外壁、建具、建築設備など各項目にそれぞれ仕上げの種類、計算用の1平方メートル単価が記載され、それにわが家の状況が記入されていた。
  市資産税課によると、家屋調査は全国同じ基準で誰が調査しても同じ評価になるようになっている。同課に出向けば、調書のコピーを提供してくれるという。
  事前に調書をもらえば、もっと節税できたかもしれない。事後でも評価のチェックができる。わが家の場合、2階の外壁材が違っていたので、指摘したところ変更してくれることになった。
  決まった固定資産税額は、床面積約36坪の住宅が5万4600円。新築住宅は3年間、税額が半額になる軽減措置が講じられるという。約58坪の土地は1万7000円。昨年は8万2700円だったが、家が建ち、住宅用地の軽減措置が適用された。このほか、都市計画税が2万1600円課税される。
  夫婦二人で借金をして建てた夢のマイホーム。完成した喜びもつかの間で、これから毎年支払う税金も家計には大きな負担となる。家づくりでは、税金を含めた資金計画が重要だと、あらためて考えさせられた。


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