中高年からのスタート(11) ペダル選び 足固定し効率良く 掲載日2009/02/12
靴底の金具が、カチッとはまるビンディングペダル
 スキー板をはくように、自転車にもペダルと靴が一体となるビンディングペダルがある。靴裏に付いた金具(クリート)がペダルの溝にはまり固定される仕組みだ。  サイクリング道で時々、がにまた姿勢でペダルを踏む人を見かける。どうも60代を過ぎて自転車に乗り出した人のようだった。知り合いの医師に聞いたところ、足腰の筋力が衰えてくると、がにまたが一番安定して、楽な姿勢なのだという。その延長線上で自転車に乗ると、がにまたになってしまうようだ。  ビンディング機能付きなら、ペダルを踏む足の位置が固定され、フォームが定まりやすい。踏み込みは、足の親指の付け根の位置が最も効率がよい。一度、位置決めすればずれることがないので便利だ。  ビンディングペダルに出合う前、靴全体をレジ袋で包んで走行実験を試みたことがある。安上がりな寒さよけ対策を狙ったのだったが、とんでもない結果になった。レジ袋を足にかぶせるだけで、風よけになって、確かに暖かい。防風効果はあったが、ペダルの上で靴底がすべってしまう。ペダリング効率が悪いのだ。  自転車をこぐときは、踏み込むだけでなく、ペダリング効率を上げるために足の引き上げも大事だ。ビンディング機能付きだと、この「引き足」が実にうまくいく。なんせ、足裏が固定されているのだから。  しかし、固定されていることから「転倒」の危険もある。私も使い始めたころ、二度ほど靴がペダルから外れずに倒れた。慣れれば大丈夫だと私自身は思っているが、「安全第一」ということなら、ビンディングを使わないのも見識だ。危険性をより低くするか、効率を追求するか。最後は使う人の選択になる。


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