1・片道12キロの通勤 危機感から再び夢中に 掲載日2005/11/05
片品村まで車で行ってサイクリングを楽しんだ。金精峠トンネルを抜けると男体山が見えた
  さて今週は、自転車でどこをさまよってこようかな。地図を見ながら、40代の私は、わくわくしている。子供のころ、初めて自転車に乗れた時の「感動」と似ている。この年齢になって自転車の奥深い魅力を再発見したようだ。
  群馬に暮らすには、車は生活必需品だ。ものすごく便利な乗り物だから、車に頼りきってしまうと、歩かない生活が当たり前になってしまう。そんな反省から数年前、万歩計を付けてみた。妻は台所に立つ機会も多く、1日1万歩くらいは歩く。私は職場では階段を使い、なるべく歩くように心掛けたが5千歩が限界。これ以上、歩数を増やすには、散歩を始めるか、妻に代わって家事をする以外はなさそうだった。万歩計は、いつの間にお蔵入りしてしまった。
  自転車との「再会」のきっかけは、増え続ける体重を何とかしなければという危機感だった。
  42歳になった秋、自転車通勤を始めた。玉村町の自宅から職場まで約12キロ。あまり気張らず、雨が降りそうなら車に乗った。どれくらい続くか、不安もあったが、苦しかったのは最初の1週間。それが過ぎると、風を切って進むことが心地よく感じられた。ペダルを踏むたびに変化する風景が新鮮だった。何より、体を動かすと元気が出た。
  あれから3年。自転車通勤は今も続いている。時々は自転車で遠出。10月中旬、紅葉を求めて金精峠に自転車で挑んだ。踏み出した直後、登校中の小学生が「おはようございます」と声を掛けてくれた。「自転車の速さは、人間的だよな」と一人で合点して、笑みが浮かぶ。
  3年間で、外見的には体重が10キロ減少、多少スリムになった。白髪やしわが増えたが、体力的衰えに歯止めがかかった。そして、走り出すと、いやなことがすっかり消えて、抜群の精神安定剤になる。そんな自転車の効用、サドルの上から見えてくる「今」を報告する。

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