世界自然保護基金(WWF)ジャパンと中央大は4日、国内で販売されたウナギのかば焼きをDNA分析した結果、約4割はアメリカウナギだったと発表した。絶滅の恐れから流通量が減ったニホンウナギやヨーロッパウナギに代わり、稚魚の違法取引が問題化している北米原産種が、日本でも大量に消費されている実態が明らかになった。
アメリカウナギは、カナダやハイチ、ドミニカ共和国で捕獲された稚魚が香港を経由して中国で養殖されているとみられる。日本にもこれらが「中国産」として加工品や生きた状態で輸入されている。WWFジャパンは「ウナギを大量消費する日本が、知らないうちに違法な漁業を支えてしまっている可能性がある」と指摘している。
中央大の研究チームは、2024年に全国各地のスーパーや百貨店で購入したかば焼き133点を分析。約6割は東アジア原産のニホンウナギ、約4割はアメリカウナギだった。「国産」表示の51点は全てニホンウナギだったが、「中国産」表示の82点は半分以上がアメリカウナギだった。ヨーロッパウナギも2点含まれていた。
ニホンウナギ(WWFジャパン提供)