政府は、被災地に入る災害ボランティア団体に交通費の一部を補助する方針を固めた。石破茂首相の掲げる防災体制強化の一環で、被災家屋の片付けや炊き出しなどの活動を後押しする。早期の復旧、復興につなげる狙いだ。政府関係者が8日明らかにした。月内に取りまとめる経済対策に盛り込み、2024年度補正予算案に「被災者支援団体の活動経費に対する補助」を計上する。
これまでは自己負担を原則としてきた。自治体が交通費を支援するケースもあった。
補助割合は調整中で、上限額を設ける方針。個人単位の申請まで含めると事務処理が膨大になるため、個人ではなく団体を対象とする見込みだ。公共交通機関の移動のほか、団体で民間バスをチャーターする際の費用補助などを念頭に置いている。
支給に際し活動報告を求めるなど一定のチェックを設ける方向。活用状況なども確認し、恒久的な仕組みにするかどうか検討する。補正予算案では数億円を計上する見通し。詳細な制度設計に向け調整を進めている。
石破茂首相は26年度に防災庁を創設する方針だ。
豪雨被害を受けた石川県輪島市町野町の住宅で、作業に当たる災害ボランティア=10月20日