中高年からのスタート(9) サドル選び 痛みない形状、素材を 掲載日2009/01/29
価格、デザイン、重さ、素材などで多種多様なサドルがある
 「自転車は健康にいいとは思うけど、すぐお尻が痛くなるからね」。自転車通勤していると、よく投げかけられる言葉だ。一口に“尻痛”というが、症状は多岐にわたり、複数の症状が同時に起きたりする。
 私がとった最初の尻痛対策は「軟らかいサドル」に替えることだった。が、これは大失敗。イメージしたのは「ママチャリ」のサドル。指で押すとフニャフニャへこむくらいのサドルを買った。
 ところが乗ると、サドル上で腰が前後に移動。ピョンピョンと上下に尻が跳ねているようで落ち着かない。ふかふか過ぎるソファの具合悪さなのだ。さらに選んだサドルの形に問題があった。サドル前部が太くて、足を踏み込むたび、内またがサドルに擦れ、自然と「がにまた」になってしまうのだ。
 次に「ゲル状」のサドルカバーを購入、試してみた。しかし、これも「軟らかサドル」と似たり寄ったり。お尻に違和感があり、何となく落ち着かないのだ。軟らかいだけでは、尻痛は解消しない―とようやく悟った。
 これまで6、7個のサドルを試した。硬めのサドルでも、滑り止めステッチが入ったものは、長く座っているとステッチ部分から尻痛になった。
 自転車用パンツはまた部分にパッドが入る。乗り始めのころ、もっこりして格好悪く見えた。ところが使って見ると実に機能的だった。やはり自転車の専用ウエアというのは、先人の知恵が蓄積されているものだ。
 前橋市内の自転車店で「サドル選びって微妙ですよね。尻痛にならないコツは?」と質問。自身も自転車競技の体験のある店主は「尻痛はサドルだけのせいじゃない。こぐ時のフォームに原因があるケースが多い」と明快に答えた。


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