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《新井幸人の空から見た尾瀬(1)》そびえる山 包む朝もや
2017/06/30掲載
乳白色の朝もやに包まれ、残雪をいただく至仏山が堂々とそびえ立つ。もやの下には青々と生い茂る木々。尾瀬はまさに自然の宝庫だ。
「尾瀬国立公園」が誕生し、8月で10年となる。年間約30万人が訪れる観光地である一方、気候の変化やシカによる食害などから貴重な自然環境をどう守るか、課題も多い。 朝もやから目覚める頃、多くのハイカーがやって来る。尾瀬が最もにぎわう季節が始まった。 尾瀬を撮り続けて42年の写真家、新井幸人(ゆきひと)さん(渋川市)が、小型無人機ドローンでの写真撮影に初めて挑戦。木道からでは見られない尾瀬の表情を上空から切り取る。 【新井幸人の目】 6月24日。午前3時半より少し前、カッコウの鳴き声で目を覚ました。宿泊していた東電小屋の外に出てみると、一面がミルク色をしたもやの世界だ。 朝もやは晴天の予兆と心得ているものの、木道からの撮影ができないまま時間ばかり流れた。 ならば、朝もやの上から目覚める光景を撮影しようとドローンを上げたところ、青白いベールのかなたに浮かぶ至仏山と、湿原の幻想的な姿を捉えることができた。 |