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《雪解けを待つ 尾瀬国立公園10年 (下)》発信 ガイドの力磨く
2017/05/05掲載
◎都内でアピール テントには片品村の鳩待峠と至仏山を示す実物の道しるべが置かれ、ハイキングマップや観光パンフレットが並んだ。尾瀬国立公園誕生10年を契機に、本県や福島、新潟両県などによる実行委員会が初出展した。 尾瀬の環境保全や調査に取り組む尾瀬高も協力。生徒8人が自然素材を使った工作を子どもたちに教えたり、活動成果を発表した。森山愛恵さん(3年)は「人が多くて緊張するけど、学校の活動や尾瀬の魅力を伝えたい」と張り切っていた。 実行委は今年、都内の複数イベントに参加するほか、尾瀬関連行事に「10周年記念」を冠したり、アウトドア業界とキャンペーンを展開。自然保護の重要性を訴えつつ、誘客を目指す。実行委の構成団体だが、関西方面での独自PRを企画する片品村観光協会は「10周年を追い風にアピールしたい」と意気込む。 ◎情報量に差 県内の児童、生徒に一度は尾瀬を訪ねてほしい―。そんな願いを込め、県が2008年度に始めた「尾瀬学校」が低調だ。尾瀬で環境学習をする小中学校に対し、バス代と現地ガイド代を補助する独自施策。昨年度の参加は133校の9495人で、ピークだった13年度(157校1万1561人)から減少が続く。 東毛や吾妻地域の参加が少なく、地理的要因が低調理由の一つだが、県の参加校アンケートから、現地の説明内容のばらつきが課題として浮上。県の委託で案内する尾瀬ガイド協会の認定ガイドに関し、「情報量の差」などが指摘された。 解消に向け県は本年度、ガイド用のハンドブック作りに着手。18年度の導入を目指し、協会側も内容の検討作業を始めた。現地案内は、季節や当日の天候を踏まえた臨機応変な対応も求められ、解説方法の統一化は容易ではない。それでも「尾瀬の良さを引き出すのが自分たちの役割。スキルアップも含め、初心に帰って取り組みたい」。協会群馬支部長の剱持雅信さん(53)は前を向いた。 |