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「尾瀬賞」3年間休止 本年度応募1件 顕彰の在り方見直し 保護財団
2017/03/15掲載
尾瀬保護財団(理事長、大沢正明知事)は14日、都内で理事会を開き、湿原に関する優れた学術研究を顕彰する「尾瀬賞」を3年間休止すると決めた。新年度から実施する尾瀬総合学術調査に多額の費用がかかることや応募が少ないことから、賞の在り方を見直す。歴代受賞者からは「休止は残念」「早期再開を」との声が聞かれた。
尾瀬賞は、人為的な影響で減少している湿原の保護について、基礎研究に基づく議論を促そうと1997年度に設けられた。賞金は100万円。これまでに20回行われ、うち4回の受賞者は「該当者なし」だった。20回の節目だった本年度は応募が1件だった。 理事会では、2017〜19年度に実施する、65年ぶりの基礎研究を含む総合学術調査に約9千万円かかると報告された。17年度に同賞を見直す検討組織を立ち上げ、尾瀬の若手研究者の育成方法や、賞金額など顕彰制度の在り方について議論し、19年3月の理事会に提案するとの案が示され、理事から異論は出なかった。 理事会後、大沢知事は「総合学術調査の支援のため」と、休止はやむを得ないとの考えを示した。 13年度の受賞者の東京農業大の中村隆俊准教授(42)は「湿原の研究者に光を当てる賞は少なく、休止は残念」と肩を落とす。15年度に受賞した北海道大大学院の平野高司教授(55)は「賞金を少なくしてもいいので、是非続けてほしい」と再開を願った。 |