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尾瀬入山減少29万人 5年ぶり30万割れ 少雪や悪天候響く
2017/02/04掲載
環境省関東地方環境事務所は3日、2016年(5〜10月)の尾瀬国立公園の入山者数は前年比10・5%減の29万1860人と発表した。減少は2年ぶりで、30万人を下回るのは東日本大震災があった11年以来。記録的な少雪が影響してミズバショウなどの開花が早まったほか、台風接近による天候不順が週末に集中し、ハイカーの足を遠ざけた。
ルート別にみると、尾瀬ケ原へ向かう鳩待口が11・8%減の17万2400人で、尾瀬沼につながる大清水口は15・6%減の1万7900人。本県側が大きく減る一方、福島県側の沼山口はアクセス道が修復され2・5%減の5万5550人と微減だった。 月別では6月が7万2300人と最も多く、7月7万1900人、10月4万8300人と続いた。週末にかけての台風接近が影響した8、9月の合計は7万8620人で、前年より2万4千人以上少なかった。 例年6月上旬に見頃となるミズバショウの開花が2週間以上早く、7月に見頃となるニッコウキスゲも早まった。同事務所は「悪天候も影響し、全体的に入山者が減少した」と分析している。 県によると、入山者の分散化対策で運行されている大清水―一ノ瀬間の乗り合いタクシーは、入山と下山を合わせて計1万7576人が利用。大清水口の入山者数は前年より3300人少なかったが、タクシー利用者の減少は約400人にとどまった。 同区間は約3キロありタクシーだと約15分と徒歩の4分の1の時間で済む。尾瀬保全推進室は「さらにPRに努め、鳩待口からの分散につなげたい」としている。 尾瀬国立公園はミズバショウの群生地として知られ、本州最大の高層湿原、尾瀬ケ原がある。近年はニホンジカの侵入や地球温暖化による影響が懸念されており、4月以降、第4次総合学術調査が始まる見通し。 |