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中心部に観光エリア 直売所や「尾瀬」情報発信 片品村
2016/1/10掲載
片品村は新年度、村中心部の鎌田地区で観光交流エリア「尾瀬の郷(さと)駅」(仮称)の整備を始める。観光客の往来がある国道120号沿いの立地を生かし、村役場周辺に物産の販売拠点と尾瀬国立公園などの情報を発信する観光拠点を一体的に整備する。既存の温泉施設などと合わせ施設を集積し、村中心部の活性化にもつなげたい考えだ。エリア全体を5年ほどかけて整備し、年間利用者40万人と30人の雇用創出を目指す。
2016年度は農産物や加工品の大型直売所建設に向けた調査を始める。事業費は全体で4億円ほどを見込んでいる。 村役場など公共施設が集中する鎌田地区は、閉店した商店も多く「旅行客を迎える村の中心としてにぎわいが不十分」(村むらづくり観光課)な状態だ。拠点整備は、夏場の登山客や栃木・日光方面からの観光客、冬場のスキー客らが往来する国道120号の利用者を呼び込む狙いがある。 中心部の活性化について村はこれまでに、役場南側300メートルの村営日帰り温泉施設を11年に「ほっこりの湯」に改装、翌年には国道をはさんで向かいに空き店舗を利用し直売所と食堂を併設した「村の物産屋かたしなや」を開店している。 16年度から5年間の第4次村総合計画策定に向けた村民アンケートで、6割以上の住民から直売所の充実を求める声が上がっていた。新たな直売所はかたしなやを拡大移転し、村役場駐車場の一部や北側の敷地計約7千平方メートルに建設する。特産の高原野菜や加工品を販売するほか、地産地消レストランを設ける。 国道西側に位置する村役場を中心に、村文化センターやほっこりの湯、公園、駐車場などと一体的に整備する。空き店舗の活用や整理も進め、中心部のイメージアップを図る。 国道をはさんだ役場反対側では、新年度に村内3小学校を統合する片品小の新校舎を建設中で、隣接地に児童館を新設する。片品中も現在地で改築する予定で、道路西側を観光交流エリア、東側を教育・子育てエリアに位置付ける。 村は12月に策定した「むら・ひと・しごと創生総合戦略」で、尾瀬国立公園を生かした訪日外国人の誘客を今後の観光振興の柱とし、19年度に1万人(日帰り)を目標に据えた。誘客に向けて取り組む一方、近年増えている外国人入山者については、入山マナーの徹底など対応の遅れも指摘されている。 そのためエリア内に整備する観光拠点はレジャー情報の発信とともに、尾瀬の麓の自治体として利用者のマナー啓発の役割も担わせる。 |