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 尾瀬守り後世に 食害、分散化 対策探る 保護財団20周年、東京でシンポ
2015/12/20掲載
シカの食害対策などについて意見交換したパネルディスカッション
シカの食害対策などについて意見交換した
パネルディスカッション
空撮した尾瀬の映像を紹介する新井さん
空撮した尾瀬の映像を紹介する新井さん
 尾瀬保護財団(理事長・大沢正明知事)の設立20周年記念シンポジウムが19日、都内で開かれた。パネルディスカッションなどを通してシカの食害対策について認識を深めるとともに、入山者の分散化、外国人への対応といった課題について意見を交わした。

 アウトドアスクール「木風舎」代表の橋谷晃さんが「日本を代表する自然・尾瀬の魅力」と題して基調講演。シカの食害について「早急に対策をしないと尾瀬が駄目になってしまう」と警鐘を鳴らした。空撮した映像を紹介した写真家の新井幸人さんも、食害の実態を指摘した。
 6人によるパネルディスカッションで、鳩待峠口に一極集中する入山者の分散化について、新潟県魚沼市観光協会事務局長の桑原幸子さんは、ミズバショウとニッコウキスゲの時季以外のPRの必要性を強調。山と渓谷社Yamakei Online部長の神谷有二さんは富士山を例に挙げて、リピーターのルート分散化を提案した。
 外国人入山者については、尾瀬山小屋組合長の関根進さんが「木道から尾瀬ケ原に入ってしまう人もいる。『入って悪いのか』というような顔をする」と実情を明かした。神谷さんは「尾瀬は(外国人への対応が)遅れているような気がする」と指摘。パネリストには片品山岳ガイド協会長の松浦和男さん、福島民報社編集局長の芳見弘一さんも加わり、NPO法人国際環境経済研究所理事・主席研究員の竹内純子さんがコーディネーターを務めた。
 財団は、適正利用や環境保全などを目的に1995年に設立された。群馬、福島、新潟3県と片品村などの自治体、東京電力などで構成している。約500人が訪れたシンポの冒頭、大沢知事は「尾瀬を守り、健全な姿で後世に残していくことは今を生きる私たちの責務である」とあいさつした。
 長年にわたって尾瀬の保全や適正利用の推進に貢献した個人、団体が特別表彰された。
 表彰を受けたのは次の通り(敬称略)。
 樫村利道(福島市)須藤志成幸(伊勢崎市)阪口豊(東京都町田市)松浦和男(片品村)角田勇(埼玉県川口市)奥只見郷ネイチャーガイド(新潟県魚沼市)尾瀬ボランティア(前橋市)