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山岳遭難 最多93件 昨年を上回る 60歳以上が半数 1〜9月
2015/10/12掲載
今年1〜9月の山岳遭難発生件数が93件(前年同期比29件増)に上り、平成以降で最多だった昨年1年間(88件)を上回ったことが、県警地域課のまとめで分かった。10月に入ってからも、谷川岳で女性(64)が転倒死したほか、尾瀬では木道で転倒した女性(71)が骨折するなど、高齢者がからむ事故が相次いでいる。秋の行楽シーズンを迎え登山者の増加が見込まれる中、県警は体力に見合った計画を立て、十分な準備をするよう呼び掛けている。
同課によると、今年1〜9月に遭難した人数は110人(前年同期比36人増)で、死亡は6人(同2人減)、骨折などの重傷は32人(同9人増)だった。 年齢別では、60歳以上が52人と最多で、次いで40〜50代が31人、30代以下が27人と続いた。60歳以上が全体の約半数を占め、中高年を中心とした登山ブームが遭難件数増加の背景にあるとみられる。 谷川連峰や尾瀬、赤城山をはじめ、荒船山や桧沢岳、小倉山などの西毛地区でも遭難事故が発生。体力が落ちた下山時や急斜面でのキノコ採り中に滑落して死亡する事案が確認されている。今年は尾瀬国立公園内で転倒してけがをするケースが増えているという。 同公園内や谷川連峰では現在、紅葉が見頃を迎えていることから、県警は今後もさらに入山者が増えると予想し、「散策中は油断せず、安全確認を忘れずに」と注意を促す。 具体的には@体力にあった登山計画を立てるA登山計画書の提出B防寒着や避難用品の携行C携帯電話などの連絡手段の確保D天候情報の収集―などの事前準備の徹底を求めている。 |