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《ぐんまNIEだより 教育に新聞を(29)》論文の主張 明確に 中央中等 総合学習で尾瀬新聞作り
2015/02/16掲載
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パソコンを使って新聞を作る生徒 |
中央中等(木村淳一校長)の1年生127人は、尾瀬の自然や環境保護をテーマにした新聞作りに取り組んでいる。現場での取材前後に新聞記者や編集者の講義を受けたり、グループ内で紙面の改善点を話し合うなどし、正確で分かりやすい新聞を目指している。新聞制作は主張を明確にするため、論文執筆にも役立っているという。
尾瀬新聞作りは前年度まで国語の授業などで取り組んでいたが、本年度に文部科学省のスーパーグローバルハイスクールの指定を受けて実施方法を再検討した。総合学習の時間を使い、約1年かけて仕上げることになった。
8人グループで一人一人が自分の新聞を作り、計8枚の新聞を仕上げる。尾瀬を訪問した昨年9月の尾瀬学校の前には書籍やビデオで基本的な情報を集め、紙面で何を取り上げるかグループで話し合った。取材相手となる尾瀬の現地ガイドには事前に質問を伝えておき、取材に臨んだという。
記事は正確さに重点を置いている。前年度まではインターネット上に書き込まれた情報をそのまま記事に引用し、発表後に間違いが発覚するケースがあったためだ。対策として尾瀬学校前に上毛新聞記者を講師に招き、取材のポイントのほか、正確な情報収集の方法も学んだ。
新聞の形式も手書きの模造紙から、校正できるようにとパソコンのワープロソフトを使った印刷物に変更した。ある程度形になった新聞はグループごとに持ち寄って発表し、疑問点や改善点を指摘し合っている。
新聞作りと同時に、尾瀬の研究成果をまとめた論文の執筆も進める。総合学習を担当する松井孝夫教諭は「いきなり論文を書くと、主張がぼやけて漠然としているものがある。見出し、リード、本文で構成する新聞を作ることで、主張が明確になる」と新聞活用の利点を説明する。
3月の発表に向け、生徒は主張を整理しながら新聞と論文を書き分ける。
◎長井日向子さん 1年2組
尾瀬の原生林を調べた。新聞作りでは引用に気を付け、読みやすいように記事をまとめている。実際の新聞も参考に、写真の配置も工夫した。読んだ人が原生林や尾瀬に興味を持ってもらえるような紙面を作りたい。
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