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尾瀬入山者は31万人 3年ぶり減少 ルート分散化進む
2015/01/17掲載
2014年の尾瀬国立公園への入山者数は前年比8・4%減の31万5400人だったことが16日、環境省のまとめで分かった。週末の天候不順が多かったためで、東日本大震災があった11年以来3年ぶりの減少。入山ルート分散化へ県が大清水口で実施した乗り合いタクシーの委託運行などで鳩待口への一極集中は緩和した。15年度は民間事業者による本格運行が始まり、県は一層の分散化を促す。
入山者は10年に34万7千人だったが、原発事故に伴う風評被害で11年に28万1300人に減り、12年32万4900人、13年は34万4200人に回復していた。
月別の入山者割合はニッコウキスゲなどが見頃の7月が26・2%、ミズバショウ時季の6月が23・9%、草紅葉(もみじ)が始まる9月が16・3%―の順。週末に悪天候が多かった8月は14・9%。
入山ルート別は、鳩待口が前年比3万1200人減の17万6800人(56・1%)、福島県側の沼山口が6500人増の7万1500人(22・7%)、大清水口は500人増の1万8500人(5・9%)―の順で、鳩待口から分散傾向がみられた。
県が7〜9月に大清水口で委託運行したタクシーは計1万3838人が利用した。1日平均216人、600人以上利用する日もあった。民間事業者によるタクシー運行は初夏にも始まる予定で、地元の協議会などが運行台数や料金といった詳細を詰めている。
県尾瀬保全推進室は「タクシー運行の開始をPRし、入山者数の底上げやさらなるルート分散化を進めたい」としている。
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