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2008記者め〜る》 尾瀬をもっと身近に
2008/12/09掲載
「見えたよ尾瀬ケ原。ちょっとだけど、見えた」―。
草紅葉に染まった九月下旬のアヤメ平(尾瀬国立公園)。一人の少女(17)が、生まれて初めて目にした尾瀬ケ原の光景に歓声を上げた。足が不自由なため、ボランティアに肩ぐるまをしてもらい実現した夢。ほんの一瞬だったが、樹林のすき間からのぞいた景観は雄大で感動を誘った。
少女は生まれつき足が不自由で、車いすが欠かせない。これまで山岳地域の尾瀬に入山したことはなかったが、地元の男性有志六人が交代で付き添い、こう配のきつい場所や階段では、全員で車いすを持ち上げて搬送する大掛かりな方法で「尾瀬散策」を実現した。
少女にとって尾瀬は写真やテレビの中の世界で、直接見ることができるとは思っていなかったという。
入山口まで来たお年寄りが「いつか行ってみたかったけど、もう年だからね」と言って、引き返す姿を何度も見かけた。体が不自由な人や年配の人にとって、尾瀬はあまりにも遠い。
こういう場面に接するたびに、どんな人にとっても尾瀬がもっと身近であってほしいし、またそうあるべきだと思う。
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