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 車いすでも尾瀬散策 片品の萩原さん 狭い木道用に改良
2008/09/29掲載
アヤメ平で行われた車いす散策
アヤメ平で行われた車いす散策

 体が不自由な人にも尾瀬の雄大な景観を楽しんでもらおうと、地元の片品村で土産店を経営する萩原照雄さん(64)は、狭い木道でも移動しやすいよう改良した車いすを制作した。二十八日には、地元の人たちと協力して、同村戸倉のアヤメ平(標高一、九六九メートル)の木道で、女性を乗せて約三キロを初めて散策。見ごろを迎えた草紅葉(くさもみじ)や尾瀬周辺の山々のパノラマを一緒に楽しんだ。萩原さんは「今後もできる限り、車いすでの散策に取り組んでいきたい」としている。

◎幅35センチ6輪車 都内の浅野さん、3キロ
 この日、車いすに乗車したのは東京都杉並区の浅野由美子さん(17)で、両親に付き添われて参加した。由美子さんは九年前から、母・享子さん(50)と一緒に片品村を訪れて自然体験会などに参加していたが、車いすでの制約などで、尾瀬に入ったことがなかったことから、萩原さんが招待した。
 車いすを使った散策は、萩原さんが三年前から描いていた計画で「お年寄りなど体の不自由な人たちにも尾瀬を体験させたい」と実施した。男性六人が交代で車いすに付き添い、こう配のきつい場所や階段では、全員で持ち上げて搬送した。
 車いすは、木道を安定して走行できるよう、木道の幅(約五十センチ)より狭くした三十五センチ幅の車体を制作。車輪も、前後輪に三輪ずつの六輪車構造にすることで、こう配がきつい場所でも木道から落ちにくいよう配慮した。
 散策で由美子さんは、冠雪した燧ケ岳や、至仏山、赤城山、日光白根山などの眺望が視界に入ると「お母さん、見て、すごいよ」と驚いた様子。散策後には「楽しい思い出をつくってもらえてうれしい」と喜んでいた。