尾瀬国立公園の湿原でシカによる被害が深刻になっている問題で、環境省は特別保護地区内でのシカ捕獲の実施に向けて検討を始めた。捕獲エリアを特別保護地区外に制限している現在の「シカ管理方針」の改訂案を、同省や本県など尾瀬を抱える自治体でつくるシカ対策協議会に提案、合意が得られれば、来年度から着手する。 尾瀬では近年、特別保護地区でニッコウキスゲやミツガシワなどの植物がシカに食べられたり、掘り返されるなどの被害が増加。三月に開かれた同協議会は、同地区内での捕獲の是非をめぐって議論が白熱した。 同省は地区外での捕獲方針を示していたが、今シーズンに入ってからも被害が顕著なため、方針転換を決めた。