無限の表情 尽きせぬ魅力 尾瀬国立公園
WEBに関する問合わせ:上毛新聞メディア事業部 TEL:027-252-8973 MAIL:webmaster@raijin.com

ミズバショウ尾瀬関連記事

 事前学習の教材配布 見どころや歴史モデルコースも 教員の研修にも力 尾瀬学校の効果アップへ
2008/02/24掲載
尾瀬高校自然環境科の生徒の解説でミズバショウを観察する児童=昨年5月

 尾瀬が単独の国立公園になったことを受け、県が新年度からすべての小中学校を対象に導入する「尾瀬学校」。県内の小中学校に通う子供が一度は尾瀬を訪れ、優れた景観や貴重な生態系に触れるとともに、自然保護運動の意義や歴史などを学ぶのが目的という。しかし、ただ行くだけでは学習効果に疑問符が付く。そのため県教委は、副読本的な冊子の編集や教員研修を計画。五月のシーズンインに準備を急いでいる。

◎県学習計画に着手 新採用は全員
 冊子は事前学習のポイントや、鳩待峠から山ノ鼻周辺を巡るモデルコースの見どころ、尾瀬の歴史などをまとめる方針。年度内にも編集に着手し、五月までには学校に配布できるようにする。
 教員側の研修にも力を入れる。各学校の担当教員を対象に尾瀬で自然観察会を開くほか、新年度に採用する小中学校の全教員を八月に現地に派遣し、日帰りで尾瀬学校の基本的なカリキュラムを研修する。
 尾瀬学校は大沢正明知事が初めて編成する当初予算の目玉として提案した。現地で付けるガイドの費用や学校から往復するバス代、教員研修費などの関連経費一億三百万円を新年度一般会計当初予算案に盛り込んだ。
 県はモデルコースとして、鳩待峠から尾瀬ケ原の山ノ鼻に下り、ビジターセンターと研究見本園を観察して戻る往復四時間のルートを提案。子供たちは現地で八人程度のグループに分かれて行動し、ガイドの説明を聞きながら正確な知識の習得を目指す。

◎主体は市町村
 尾瀬は「ごみ持ち帰り運動」が始まった場所。荒廃した湿原の植生復元活動や、湿原保護のために整備されている総延長六十五キロに及ぶ木道、合併浄化槽、パイプラインなど環境保護の意義や取り組みを学ぶ生きた教材が多い。
 実施主体は市町村教委だが、県は「すべての学校ができるだけ初年度から実施してほしい」と呼び掛けている。