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 ヤマメの放流中止 尾瀬で利根漁協 産卵場設置で増殖へ
2008/02/16掲載

 県内河川・湖沼の漁業権の運営内容などを決める県内水面漁場管理委員会(委員長・吉沢郁夫利根漁協組合長)は十五日までに、尾瀬国立公園の尾瀬ケ原を流れるヨッピ川とその支流で利根漁協が長年続けてきたヤマメの放流を中止し、替わりに産卵場を設置する増殖法が妥当との意見をまとめた。
 自然公園の特別保護地区に外部から魚を持ち込むことに対して、自然保護団体が「生態系に影響を与える」として放流中止を求めていた。
 放流は、自然公園法や漁業法に抵触しないが、利根漁協は委員会の意見を尊重して中止し、県と協力して今夏にも三カ所に産卵場を設置する方針。ウグイ、オイカワなどの産卵場は利根川、渡良瀬川などにあるが、渓流魚の産卵場は県内初となる。
 産卵場は一メートル四方程度の広さで、川底に丸太を置いて流れを緩やかにし、その上流部に小さな砂利を敷き詰める簡易なもの。栃木県の鬼怒川などで効果が実証されており、県は「放流と同程度の増殖が期待できる」としている。
 利根漁協は一九六一年に尾瀬ケ原などの漁業権を取得し、ヤマメなどの漁を営んできた。八〇年代からは毎年一万匹のヤマメの放流を続けながら、自然保護への配慮から漁を自粛しているという。