尾瀬関連記事尾瀬のクマ目撃「減少」 講座で保護財団研究員生息状況や生態解説 みなかみ
2007/12/04掲載
講座は、同センターが毎年実施している「自然生態に関する公開講座」の一環。講座で橋本さんは、(1)ツキノワグマってどんな動物?(2)尾瀬のクマ対策・生態調査と保護管理(3)今年の尾瀬のクマ―をテーマに解説した。 尾瀬では、一九九九年と二〇〇四年に木道でハイカーがクマに襲われる事故が発生し、これを受けて尾瀬関係者による対策連絡会議が発足。橋本さんらを中心に、クマに電波発信機を付けた生息状況の調査や巡視、ハイカーに注意を呼び掛ける看板の設置、クマが人に近づいたときはごう音玉を鳴らして追い払うなど、事故防止に向けた取り組みが実施されている。 橋本さんは、こうした経験を踏まえ、スライドを使って尾瀬での出没状況や調査内容を紹介。クマの生活パターンや食物について解説した。 尾瀬のクマはその年によって行動範囲が異なることや、人を認識したクマは基本的に逃げていくことなど、調査で分かったことを紹介。尾瀬での今年の目撃情報は九十六件で、昨年度の百五十九件から大きく減少、今年は人が襲われる被害も無かったことにも触れた。 受講者からは「春先にはミズバショウも食べるのか」「大昔の本州にはヒグマもいたのか」などの質問のほか、「クマが木道に近づいた場合に、ハイカーに注意する人員を設けるべきではないか」などの意見もあった。 |