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《回顧2007 記者め〜る》 尾瀬への往復40回
2007/12/01掲載
今年の尾瀬入山シーズンが終わった。開設した尾瀬支局に着任し、八カ月が経過した。振り返ると、尾瀬への往復は四十回を超えた。
着任間もない四月、初めて入った尾瀬は、積雪一メートルの雪景色。尾瀬ケ原まで、踏み外さないよう足元を確かめながら歩いた。
それまで、尾瀬には学生時代に一度入っただけ。ミズバショウやモウセンゴケなどの名前は知っていたが、実際に取材に入ると、多様な動植物と、その希少性は際立っていると感じた。
林の中から聞こえる野鳥のさえずりや野生のシカの鳴き声にも触れ、尾瀬国立公園誕生(八月三十日)の年に担当したことに身が引き締まった。
十月中旬の尾瀬ケ原・山ノ鼻地区で埋設ごみの撤去作業が行われた。ごみは三十年以上も前に投棄されていた。現場で参加者の一人が「こうした歴史を踏まえて今の尾瀬があるんですよ」と語った言葉が印象深い。
空き缶や空き瓶、ソーセージのビニールなどが次々と見つかり、ごみ袋七十五袋にもなった。掘り出さなければ、ずっとこのままだったと思うと、問題の深刻さをあらためて感じた。
ごみ持ち帰り運動が定着し、ボランティアなどの努力が実り、入山者のマナーは向上。現在、尾瀬でごみを見ることは少なくなった。こうした尾瀬の実績は、全国から注目されている。
産声を上げた尾瀬国立公園。過去の歴史を乗り越え、ごみを根絶した自然公園の象徴として愛されるよう願っている。 (尾瀬支局 霜村浩)
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