無限の表情 尽きせぬ魅力 尾瀬国立公園
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 保護、利用に具体策 野生動物対策や交通体系 尾瀬保護財団
2007/8/29掲載

 尾瀬保護財団は年内にも、尾瀬の適正利用や環境保全、野生動物対策などの具体策を決める有識者検討会を発足させる。事業主体や予算、実施時期など詳細な運用・管理形態を検討。二十一世紀の国立公園のモデルにふさわしい尾瀬の将来像を描き、必要な事業を県や環境省に提言する。

 財団は検討会の設置時期などを同省と協議している。尾瀬に求められる取り組みを提言する「尾瀬ビジョン」をまとめた「尾瀬の保護と利用のあり方検討会」(会長・斎藤晋県立女子大名誉教授、二十四人)を引き継ぐ組織とする。

 構成メンバーは植物学や生態学の専門家、自然保護団体、山小屋、東京電力、行政など尾瀬にかかわる幅広い分野を網羅し、新公園の諸問題を話し合う「最上位の組織」(財団事務局)とする。年度内に二回程度の話し合いを持ち、五年後までの取り組みを中心に具体策をまとめる。

 主なテーマは「生態系の調査・研究」「野生動物対策」「植生荒廃地の復元」「過去の埋設ごみ対策」「適正利用のための交通体系・アプローチ方法の検討」「ビジターセンターの機能充実」「ガイドの資格認定制度の創設」「危険カ所の補修・点検」など。

 野生動物対策ではニホンジカのエリア外への排除やツキノワグマとの共存が課題となっており、そのための実態把握や将来予測の方法などを検討する。植生復元では緊急対策の方向性が決まった至仏山を中心に、外来植物対策も含めて進められる見通しだ。