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群馬県のニュース

「緑の県民税」存廃注目 国新税と重複感 

更新日時:2017年7月15日(土) AM 11:00
 市町村の森林整備財源に充てようと、国が新税「森林環境税」の導入を検討するのに伴い、県が2014年度に始めた「ぐんま緑の県民税」の行方に注目が集まっている。18年度まで5年間の時限的な課税制度として始まり、県民と法人からの徴収額は年8億円超。税収を主な財源とした基金事業は、里山の整備など市町村の提案に対して補助する仕組みが定着し、市町村から継続を求める声が上がる。緑の県民税の継続は、国による今後の新税の制度設計にも左右されそうだ。

 基金事業は大きく分けて水源地域の森林整備など県が行う事業と、地域の実情に合わせて市町村やボランティア団体が取り組む「市町村提案型」がある。税収に加え、寄付金を財源とする17年度の予算総額は8億6100万円。このうち市町村提案型には五つの事業区分に計2億8千万円が充てられ、35市町村の計307事業に補助金として配分される。

 「せっかく広がった活動が途中で打ち切りとなるのは避けたい」。高崎市農林課の担当者は継続を強く希望する。

 緑の県民税が14年度に導入された当初、地元調整に手間取るなどして、提案型の参加市町村は低調だったが、16年度には全35市町村に広がった。竹林整備や貴重植物の保護、子どもの林業体験など幅広く使われ、同年度までに実施されたのは累計488事業、補助額は計5億4400万円に上っている。

 県町村会によると、県への予算要望に向けた取りまとめの中で、緑の県民税・基金事業の継続を求める意見が目立つという。「土砂災害防止に役立つ」「鳥獣害対策にも活用できる」などが理由に挙がる。

 「やっと定着してきた制度。ぜひとも継続して」。北毛の首長は今月上旬、県に陳情した様子を会員制交流サイトに投稿した。

 国の森林環境税の導入検討は、昨年末の与党税制改正大綱をきっかけに始まった。所有者不明林地の拡大や管理に無関心な所有者の増加を背景に、間伐の代行など市町村主体の取り組みを進めるため、財源確保の必要性が浮上した。

 総務省は、有識者らによる税制面の検討会を4月に設置。国民に広く税負担を求め、市町村へ配分する基本路線を踏まえ、交付金の使われ方などについて議論を重ねている。8月上旬の第5回会合以降の中間取りまとめで、一定の方向性を出す方針だ。同省の担当者は上毛新聞の取材に対し、政府・与党が実施を決めた場合でも「導入は早くても19年度」との見通しを示した。

 森林整備などに関する課税は群馬県の緑の県民税を含め37府県で行っており、重複感をどう解消するかが新税設計の課題となる。県議会は5月、現行制度を検証する特別委員会を立ち上げ、議論を開始。大沢正明知事は6月下旬、本県関係国会議員に対し、独自課税を考慮に入れて新税を制度設計するよう要請している。19年度以降の県民税の存廃は新税の動向に大きく関わり、県の担当者は「今後どうするか、見通しが立たない」と話している。

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。