厚生労働省は、職場でのハラスメント(嫌がらせ)根絶に向け、法改正する検討に入った。企業に対策を義務付けているセクハラやパワハラなど4類型を含め、全てのハラスメントが「許されない」との理念を労働施策総合推進法に明記する方向。社会的な機運醸成につなげるのが狙いで、具体的な義務や罰則は設けない見通しだ。関係者が22日、明らかにした。
近年、4類型に当てはまらないハラスメントが問題化するケースが相次ぐ。防止を強化するため基本的な理念を明確化する必要があると判断。来年の通常国会に法改正案の提出を目指す。
念頭に置くのは4類型に加え、顧客が理不尽な要求をするカスタマーハラスメント(カスハラ)や、就職活動中の学生に対するセクハラなど。推進法に「ハラスメント全般は許されるものではない」との趣旨を書き込む見込みだ。
職場でのあらゆる行為が過剰にハラスメントと見なされる懸念もあるため、労使が参加する労働政策審議会で今後、改正内容を詰める。
厚生労働省
ハラスメントの主な類型