政府は22日の臨時閣議で経済対策を決定した。物価高を克服するため、住民税が課税されない低所得世帯に配る3万円の給付金などが柱となる。国民民主党が求める年収103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」は引き上げる。本格化する2025年度税制改正の議論で引き上げ幅が焦点となる。光熱費の抑制策や半導体支援も盛り込んだ。必要な経費として24年度の一般会計補正予算案に13兆9千億円程度を計上する。
地方自治体や民間企業の支出分などを合わせた事業規模は39兆円程度と推計した。補正予算案は、28日召集の臨時国会に、12月9日をめどに提出。年内の成立を目指す。
給付金は、住民税が非課税となっている低所得世帯を対象に3万円を支給する。そのうち子育て世帯には、子ども1人当たり2万円を上乗せする。昨年の経済対策では、定額減税措置を受けられない非課税世帯に1世帯当たり7万円の支給を決めた。物価上昇のうち、賃上げでは賄いきれない部分を補うことを重視し、昨年よりも支給額は減った。
臨時閣議に臨む石破首相=22日午後、首相官邸